ダイエット

来週友人の結婚式の為、美しいドレスを着るぞという決意のもと、

数週間前からダイエットに励んでいる彼女が、夜食を食いだした。

いつもなら「た…食べたいんですが…なにか」とこちらを伺うように

見ながら、結局自分が『ダイエット中だろ』と諭すと我慢したりしていたが、

今回は様子が違う。

知らない間に台所に行ったかと思うと、すっと部屋に入って来、見ると

ドンブリ一杯のご飯と卵を持っている。あまりの自然さに彼女が

ダイエット中であるという事実を一瞬忘れた。達人の動きである。

「ダメじゃん」と声をかけようとしたが、鮮やかな動きでドンブリに

卵を割り入れる動作とその眼光は、「邪魔をすれば斬る」というような

無言の気迫を感じ、声を喉の奥に押しとどめる。

とてもうまそうに卵かけご飯を食べる彼女にようやく声をかける。

「…歯を磨くんだよ。」

その後彼女は満足げに眠った。

「ダイエット」への3件のフィードバック

  1. 万が一の時は、urauraさんが美しいドレスの代わりに美しい着物をご用意くださればすべて解決!
    少々膨張したって平気なのが、和服のいいところ⋯(実証済み)。
    ドレスが入らなくて涙の彼女に、そっと和服を差し出してあげてください。
    お二人の愛も日本海溝より深まることでしょう。

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  2. こんにちはまがねさん。
    江戸文化というのは、年齢を重ねた方に合わせた文化で、月代も禿げた人に敬意を評して見た目を合わせ、お歯黒も歯の抜けたおばあさん等に合わせ、和服などは年をとっておなか等が出てきた時にも、恰幅がよく立派に見える服装なのだ。…というようなことをどこかで聞いた覚えがあります。本当かどうか知りませんが、成る程なあと妙に納得した覚えがあります。
    「実証済み」…日本海溝よりも深い悲しみを禁じ得ません。

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  3. そうなんですかっ!
    月代は甲をかぶった時に蒸れるから、お歯黒は結婚した女性はある意味人間ではない→死者として扮するため嫁入りは白無垢、その後は眉を剃り、お歯黒をして亡者の扮装、女性の和服は男性が脱がせる楽しみ一杯のファンタスティックコスチュームだと思ってました。(何か歪んでる…)
    老人愛護説も納得ですね。
    男性の和服は見栄えが確かに2割増しですよ。
    バイク乗る人は是非、月代を。

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